2012年8月16日木曜日

バランスド・スコアカード

バランススコアカード
 バランススコアカードの概要について書いていきたいと思ってます。
以前、バランススコアカードに関わり見事失敗しました。反省の意味をこめて書いてみたいと思っております。
BSC導入にはかなりの手間がかかり、取っ付きにくいものですが、企業が成長していくには、欠かせないツールでしょう。

バランススコアカードを理解いただくために、現状行われている利益管理の手法をのべます。まず、現在多くの企業で行われている利益管理の手法は予算制度と長期計画ですが、長期計画は投資案件に優先順位があるだけで大きな違いはありません。期間は違いますが、長期計画を現在の延長上で計画を決める限りにおいては全く同じでしょう。

次に大まかな予算制度を述べてみます。バランススコアカードとの違いを理解していただきたいと思います。

(予算制度)
 (1)年度予算の作成時に行われることは、次のとおりでしょう。
   ① 販売計画をたてる
     イ、実績数量・単価を基礎として、既存品の売上を算出
     ロ、新商品を市場に出す場合、見込みの中位数又は悲観値で初年度売上を見込む。
   ⑩ 経費削減を実施する場合は、ほぼ一律に部署ごと公平に削減する。
   ③ 設備投資は、個別に採算計算をするが、計画におりこまれた売上及びコストと必ずしもリンク     しない。
 (2)その後、毎月予算と実績の差異分析を行い、利益変動の原因を明らかにし、課題解決に努力する。
(バランススコアカード)
 (1)企業の将来像(ビジョン)に合わせて、次の戦略目標を設定する。
   ① 顧客の創造(売り上げ)
      既存顧客への新しいサービスの提供
      新規開発商品の市場への投入
   ② 業務プロセスの改善
      顧客の創造に合わせた業務プロセスの改善
   ③ 人材の育成・情報システムの改善
      顧客の創造・プロセスの改善に対応する人材の育成、情報システムの構築
  これらの項目の設定は、
    1、それぞれ成功要因を探し、
    2、それの業績評価指標を探し
    3、業績評価指標は過去指標になるので、対応する先行指標を設定する。
    4、初年度は年度予算に織り込み、進捗管理を行う。
 (2)戦略目標、業績評価指標、先行指標は、カードに書き込み、
    四半期または半期ごとに業績評価指標の適合性を検討・改定する。
 
      さらに、戦略目標の設定は、 全部署が参加して行う。
  利益目標だけでなく、業務プロセス、人材の育成もその目標に取り込んでバランスさせて会社経営を   行うものです。   取り掛かりは、限定された部署で行う方がなじみやすいと思われます。
  次回から取り組み方を述べていきます。
バランスド・スコアカード:内川貞雄税理士事務所

2012年6月4日月曜日

助成金について

1、2002年に創造的中小企業振興事業補助金の申請の支援を行い交付決定を受けています。
内容は「3次元バーチャル試着室の開発」でした。これは創造法による計画の認定を受けて
補助金の申請を行います。実施完了後は5年間状況を報告し、収益がでれば補助金
相当額を県に納付します。
引き合いは数件あったのですが、商品化までの増加費用を工面できなかったのが残念に
思っております。まだ、投げているわけではありません。
2、最近中小企業緊急雇用安定助成金の申請を手伝いました。
毎月計画の届出を行い、休業の実績が出てから毎月支給の申請を行います。支給の申請
から入金まで約1ケ月です。資金繰りからは1ケ月遅れますが、会社にとっては助かるもの
です。

助成金について:内川貞雄税理士事務所

2012年6月3日日曜日

あるがまま

「あるがまま」とは、強迫観念の治療法の世界では有名なことばです。強迫観念とは完全主義の資質を持った人間が、或るきっかけを契機として持った「こだわり」について、感情と理性が喧嘩をし、果ては増幅させて起きるものです。
 「あるがまま」の意味するところは、事実(こだわり)をあるがままに受け入れて、それを持ったまま、「あるべき様(仕事)」に進むということです。それが強迫観念の治療法です。
 もっと、判り易く言えば「目標・今やるべき仕事・目の前の仕事」から逃げないということです。
「こだわり」があって苦痛だが仕事を続けるということです。途中で折れることなく。
 2002年発行「失敗学の法則」をお書きになった畑村洋太郎氏は、その著書のなかで1995年にあった動燃の「ビデオ隠し事件」について、「そもそも世の中には原子力に対して強い不信感がある。世間に悪い印象を持たれてはいけない」という動燃の強迫観念が作用し、編集済みのビデオでごまかすという失敗をしたと書いておられます。
 いずれも強迫観念(こだわり)が個人及び企業の心身を縛るものですが、それからの離脱方法は異なりましょう。
 人間の場合は、前述のような事柄の遂行が必要ですが、企業の場合はトップの意思次第だと思うのですが、なかなか、そうはいかない。何故でしょう。紙一重の判断なんですが。

あるがまま:内川貞雄税理士事務所

2012年5月29日火曜日

資金繰り:ポイント

資金繰りは難しい。けれど、ポイントはこんなところかなと思っています。

1、売掛、買掛ともに同じサイトに合わせる。
2、6ケ月以上の資金繰り表を作成し、預金残高が売上の1月分を割り込む月があれば対策を
  立てる。
3、経費の引き落とし日は、売掛入金日が月末であれば月末とする。
4、借入を考える前にその他の方法(コストダウン・助成金の利用)ができないか考える。
5、短期の資金繰り上、売上増加見込みは当てにしない。

まだまだ、たくさんあるでしょうが。大事なのは、「時間はお金です」ということでしよう。

資金繰りポイント:内川貞雄税理士事務所

2012年5月8日火曜日

経営:なぜ、どうする

会社業績は、企業体質に大きく依存するようです。企業を取り巻く環境によることもありますが、企業体質は、トップの考え方・取り組み方・それに対する周囲の対応の仕方によって、おおかた創られるようです。それは長い年月の間に固着化していきます。プラスの体質もあれば、負の体質もあります。

 会社経営で次のような経験はありませんか
 ①取引先に見積もりを出した後、主観確率50%で受注を待ったこと。
 ②その後の問い合わせで「検討中」との返事を貰い、何カ月も待ったこと。
 ③当社商品・技術は優秀だとして、発注者に品質の押し売りをしたこと。
 ④起死回生の一打と思って、解答から遠い「イベント」投資したこと。
 ⑤「素晴らしい」と直感で判断して、その「素晴らしさ」の証拠を集めずに投資したこと。
 ⑥⑤一芸に秀でた部下に任せきりで、プロジェクトを失敗させたこと。
 ⑦教育が仕事と勘違いして、売上につながる仕事をしない管理職を黙認し続けたこと。
 ⑧最上位の人が、会議の進行役をしない。

 これらの症状は、企業に時間の浪費をもたらします。時間は労務費そのものです。業績低下は必然です。
 世間の景気がよくて、需要が目いっぱいあれば顕在化はしませんが、反対の局面では、顕在化し会社は左前になっていきます。失敗も勉強の内という考えは、余裕のある大企業の科白です。
我々には、許容されないでしょう。会社は時間をかければ、体質改善できると考えています。それが自力であっても、他力であっても。
経営:なぜ、どうする:内川貞雄税理士事務所